今回のテーマは『遺贈の種類』です。
第19話で遺贈について解説をしましたが、遺贈には大きく分けて2つの種類があります。
今回はその遺贈の種類について解説をしていきたいと思います。
遺贈の種類
1.包括遺贈
1つ目は「包括遺贈」です。
包括遺贈とは遺産全体の割合を明示して、遺産を特定の人に譲渡することです。
たとえば「遺産の5分の1を〇〇に遺贈する」というケースです。
この場合に注意しなければならないのが、遺産のなかに借金などのマイナスの財産がある場合も指定された割合、引き継がなければならないことです。
包括遺贈を受けた人は、相続人と同じ権利義務を負うことを覚えておいてください。
2.特定遺贈
2つ目は「特定遺贈」です。
特定遺贈とは、遺産のうち、特定の財産を指定し、それを特定の人に譲渡することです。
たとえば「土地を〇〇に遺贈する」といったケースです。
この場合は、遺贈する財産が特定されていますので、遺贈を受ける人が借金を引き継ぐことはありません。
(ただし、遺言に「借金を引き継ぐように」と指定された場合は除きます)
また、被相続人が亡くなった時点で遺贈されるはずだった財産が処分されていて手元にない場合、遺言書に書かれていた遺贈は無効となります。
遺贈を考えていらっしゃる方は、それぞれの遺贈の種類と内容を正しく把握し、受け取る側の立場や負担を考慮したうえで、どちらの種類の遺贈がより適しているかを判断する必要がありそうです。