今回のテーマは「遺産分割の基準」です。
遺産分割は相続におけるスタートラインであり最も重要なテーマです。
遺産分割の基準について民法第906条には次のように書かれています。
『遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。』
いかにも法律らしい言い回しですが、分かりやすくかみ砕いて言うと…
『遺産分割は、遺産の種類や性質、相続人の年齢、職業、心身の状態、生活の状況を考慮して行いましょう』
ということです。
つまり「遺産の種類」と「相続人の状況」の2つの視点から最適な分け方を考えることが遺産分割の基準ということになります。
遺産の種類からの視点
たとえば生活の拠点となる自宅の土地や建物が遺産に含まれている場合、これを複数人で分割して所有することは適していません。
一人の相続人が所有することが最適であると考えられます。
そのような場合には、無理に分割せず、ほかの遺産の分割方法を考えるようにしましょう。
相続人の状況からの視点
たとえば小学生の子に株式を相続させたところでその子は譲り受けた株式を最大限有効に活用することができるでしょうか。
この場合も最適な遺産分割とは言いにくいかもしれませんね。
このように、後々トラブルになることを防ぐためには「誰に」「何を」相続させるかを事前にきっちりと決めておかなければなりません。
みなさんも「遺産の種類」と「相続人の状況」の両方の視点で一度じっくりと最適な分割案を考えてみてください。