今回のテーマは「遺産分割の方法② 代償分割」です。
代償分割とは
相続した財産の価格が少ない人が、多く相続した人から、現金などによって相続分を穴埋めしてもらう方法です。
代償分割が行われるケース
たとえば、相続財産のほとんどが家と土地といった不動産で、あとは少しの預貯金である場合です。
不動産は性質上、分割することが難しい財産です。
その不動産が家なら、今後もそこに住み続ける相続人がいることも多くありますので複数人で相続することはなおさら困難でしょう。
複数いる相続人のなかの一人にその不動産を相続させてしまうと、他の相続人は相続する遺産が少なくなってしまい、他の相続人から不満が出ますよね。
でも、もう他に遺産は無い…
ここで出てくるのが『代償分割』という方法です。
遺産を多く取得した相続人(この場合は不動産を取得した相続人)が、他の相続人に対して、金銭を支払うことでその不満と不公平を解消しようというものです。
代償分割の注意点
1.思いもよらぬ税金がかかる?
もし、代償金を金銭以外の支払者がともと所有していた権利などを代償として譲渡する場合、譲渡所得という扱いになり、最大40%近くの税率が譲渡した財産にかけられることもあります。
ですので、代償分割の場合、ほとんどが金銭で解決することになります。
2.代償分割は遺産分割協議書に明記
遺産の分割方法の話合いの結果、代償金が発生するような遺産分割方法で決着がついた場合、その金額と支払相手をきっちりと「遺産分割協議書」に書きましょう。
代償分割によって取得した代償金などは、基本的には相続税の課税対象となりますが、もし代償金が発生したことを書き忘れてしまうと、『贈与』とみなされてしまい、相続税とは別に贈与税がかかってしまいます。
3.代償金を支払う側の負担は重い
代償金の支払いは、支払者の財産から行わなければなりません。
一括で支払うことが難しい場合、その後の収入から分割で支払う約束をすることも可能ですが、所得税などさまざまな税金が差し引かれた後の残額で、それを賄わなければなりません。
代償金を受ける側も、その負担を理解してあげる必要はあります。