第64話『奥行長大補正』 ~縦に長い土地の評価の補正~

 

今回のテーマは「奥行長大補正」です。

 

奥行長大補正とは

間口のわりに奥行が長い土地に適用される割引です。

いわゆる「うなぎの寝床」といわれているような土地で、評価上では利便性が低いと考えます。

 

奥行長大補正率を調べる

これまで解説してきた補正率は「△m以上、△m未満は0.96」のように実際の土地の大きさから補正率を探してきましたが、今回は少しパターンが変わります。

 

参考:間口狭小補正率表

奥行長大補正率は「間口に対して奥行が何倍か」基準として補正率を探します。

 

奥行長大補正率も国税庁のホームページ調べることができます。

外部:国税庁ホームページ

 

上記リンク先のページの「附表7 奥行長大補正率表」をご覧ください

この表にある0.90~1.00が奥行長大補正率になります。

表の左端の行の「2以上3未満」という数字は間口に対して奥行が何倍であるかを示しています。

 

参考:その他の土地の評価補正

側方路線影響(角地の評価補正)
二方路線影響(道路に挟まれた土地の評価補正)
三方路線影響(コの字型に道路に囲まれた土地の評価補正)
間口狭小補正(間口が狭い土地の評価補正)
がけ地補正(崖がある土地の評価補正)
不整形地補正(いびつな形の土地の評価補正)

 

評価方法

それでは実際に奥行長大補正をつかって次の土地の評価を計算してみましょう。

 

・普通住宅地区の土地
・間口:8m、奥行20m
・路線価:100千円

 

今回のケースも路線価×奥行価格補正率×奥行長大補正率で土地の㎡単価を算出することができます。

 

奥行価格補正率は下の表より1.00になります。

 

次に奥行長大補正率ですが、例に挙げた土地間口8mに対して奥行20mと2.5倍ありますので0.98の奥行長大補正率が適用されます。

 

これらの補正率を計算式に当てはめると

100千円×1.00×0.98=98千円

これがこの土地の㎡単価となります。

 

最後に土地の面積を掛け合わせて全体の評価額を計算します。

98千円×8m×20m15,680,000円

 

まとめ

補正率表をみると、普通住宅地区では奥行が間口の2倍以上あると、減額の対象となります。

つまり、住宅用の土地は正方形に近いほど利用価値が高いと判断されることになります

これに対してビル街地区や大工場地区では奥行がどれだけ長くなっても、利用価値に及ぼす影響は小さいと考えられ、評価は減額されないことになります。

 

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