第66話『不整形地補正』 ~いびつな形をした土地の補正~

 

今回のテーマは「不整形地補正」です。

 

この補正はいろいろなパターンが存在するのですが、ここでは最も一般的なパターンを紹介していきたいと思います。

 

不整形地補正とは

土地の形が正方形や長方形ではない場合に適用される補正です。

土地はキレイな四角形が最も利便性が高い評価され、たとえば「ひし形」のような変形した四角形の土地は評価が低くなると考えられます。

 

不整形地補正の考え方は、「もし土地がキレイな四角形だったら」という前提で、架空の境界線を引きます。

これを「想定整形地」といいます。

そして、「想定整形地」から実際の敷地を切り取ると、余った部分がでてきます。

 

この余った部分を「かげ地」といい、「想定整形地」に対して「かげ地」の割合が高ければ高いほど、土地の評価は低くなります。

 

参考:その他の土地の評価補正

側方路線影響(角地の評価補正)
二方路線影響(道路に挟まれた土地の評価補正)
三方路線影響(コの字型に道路に囲まれた土地の評価補正)
間口狭小補正(間口が狭い土地の評価補正)
奥行長大補正(縦に長い土地の評価補正)
がけ地補正(崖のある土地の評価補正)

 

不整形地補正率を調べる

不整形地補正率は次の3つの要素によって決定します。

1.地区区分
2.地積
3.かげ地の割合

 

不整形地補正率も国税庁のホームページ調べることができます。

外部:国税庁ホームページ

 

上記リンク先の「付表4 地積区分表」「付表5 不整形地補正率表」をご覧ください。

まず、付表4をご覧いただき土地の地区区分と地積から、地積区分がA、B、Cのどれに該当するかを確認します。

 

つぎに付表5をご覧いただき、先ほど調べた地積区分と「かげ地割合」から、補正率を探します。

 

評価方法

では例題を使いながら、次の土地の評価を計算してみましょう。

・普通住宅地区
・東西:20m、南北:20mのひし形
・かげ地割合は33%
・路線価:100千円

 

1.まずは地積区分を確認

地積は20m×20m=400㎡で、普通住宅地区ですので、地積区分は「A」になります。

 

2.つぎに補正率を求める

「普通住宅地区 A」、かげ地割合は33%ですので、下の表より不整形地補正率は0.90となります。

 

3.㎡単価を算出

路線価 × 奥行価格補正率 × 不整形地補正率で土地の㎡単価を算出します。

 

100千円×1.00×0.90=90千円

これがこの土地の㎡単価になります。

 

4.土地全体の評価を算出

最後に㎡単価に地積を掛け合わせて全体の評価額を算出しましょう。

90千円 × 400㎡ 36,000,000円

 

まとめ

不整形地は本当にいろいろなパターンがあります。

(正方形や長方形以外の土地は全て不整形地と思っていただいてOKです)

土地の形状がどれだけ歪(いびつ)でも基本的な考え方は上記のとおりです。

最も難しいところは「想定整形地」をどのうに作るかというところです。

 

あまりにも複雑な形状をしている土地の場合当社までご相談ください

土地の評価額の鑑定を依頼したい場合はこちら

 

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