民法第910条「相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権」

民法第910条 相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権

相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続入が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。

 

意訳

相続開始後に認知されて相続権をもった人が、遺産分割の請求をしようとする場合、既に他の相続人同士が遺産分割を済ませているときには、認知された人は金銭の支払いを請求することのみできる。

 

条文解説

遺産分割が終了した後に認知をされて相続人となる人が現れたときのルールです。

たとえば、被相続人である父の死後、子が『認知の訴え』(民法第787条)を起こして認められたようなケースです。

本来ならば認知された子も相続権をもちますので、認知された子を除いて行った遺産分割協議はやり直す必要があります。

しかし、いったん遺産分割が終了しているにもかかわらず、もう一度やり直しとなると時間と手間がかかり、トラブルの原因となってしまう可能性があります。

 

そこで、遺産分割が終了した後に認知をされた人が現れたときは、既に成立している遺産分割と認知された子の権利のバランスを保つために、認知された子は自分の相続分相当の『金銭』を他の相続人に請求できるだけに権利がとどめられています。

 

関連条文

民法第787条 認知の訴え

子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。

 

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