民法第978条「在船者の遺言」

 

民法第978条 在船者の遺言

船舶中に在る者は、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

 

意訳

船の中にいる人は、船長または船員1人および証人2人以上の立会いのもと、遺言書を作成することができる。

 

条文解説

遺言書には2つの方式(普通方式と特別方式)と7つの種類があります。

本条で規定されている遺言書は特別方式の船舶隔絶地遺言(下の表の⑥)に関するルールです。

船舶に乗船中にの人は公正証書遺言を遺したくても公証役場に行けないため、これを遺すことはできません。

そこで、これに代わって船長または船員1人と証人2人以上の立会いによって作成できるようにしたものが「船舶隔絶地遺言」です。

条文に出てくる「事務員」とは船長以外の船員のことを指します。

なお、この船舶隔絶地遺言も一般隔絶地遺言(民法第977条)と同様、家庭裁判所による確認(民法第976条4項など)は不要とされていますが、遺言書執行時には家庭裁判所による検認の手続きは必要となります。

 

関連条文

民法第977条 伝染病隔離者の遺言

伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

 

民法第976条 死亡の危急に迫った者の遺言

第4項

(前略)遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。

 

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