民法第985条「遺言の効力の発生時期」

 

民法第985条 遺言の効力の発生時期

遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。

2項

遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

 

意訳

遺言は、遺言を遺した人が亡くなってから効力をもつ

2項

遺言に停止条件(「将来こうなったら、こうする」)が含まれている場合、遺言者の死亡後にその条件(「こうなったら」の部分)が満たされた場合、遺言は条件が満たされた時点から効力をもつ

 

条文解説

この条文は遺言の効力が発生するタイミングについて規定されたルールです。

原則として、遺言は遺言者(遺言を遺した人)が亡くなった時点で効力が発生します。

遺言は遺言者が亡くなるまでの間、自由に書き直しや撤回をすることができますので、遺言者が存命中は誰も遺言の内容に縛られることはありません。

なお、このルールは自筆証書遺言や公正証書遺言など、遺言の種類を問わず、全ての遺言に適用されます。

 

2項

停止条件とは「テストで100点を取ったら焼肉に連れて行ってあげる」というように、単に「焼肉に連れて行く」という約束ではなく、「テストで100点を取ったら」という将来発生するかどうか現時点では分からない条件を付けた約束のことをいいます。

このような条件を付けた遺言のことを「停止条件付き遺言」といいます。

典型的な例は「孫が大学入試に合格したら100万円を遺贈する」といった遺言です。

この場合、「大学入試に合格したら」という条件が付けられており、「大学入試に合格すること」が条件の成就を指します。

つまり、1項の原則と異なり、停止条件付き遺言の場合、遺言者が亡くなって直ちに効力が発生するのではなく、条件が成就したタイミングで遺言の効力が発生することとなります。

 

では、遺言者が亡くなった時にすでに孫の大学入試の合格が決まっていた場合はどのようになるのでしょうか。

この場合は、既に条件が成就していますので、1項の原則に立ち返り、遺言者が亡くなったタイミングで孫への遺贈の効力が発生することになります。

 

 

関連記事

  1. 民法第940条 相続の放棄をした者による管理

  2. 民法第901条「代襲相続人の相続分」

  3. 民法第982条「普通の方式による遺言の規定の準用」

  4. 民法第885条「相続財産に関する費用」

  5. 民法第960条「遺言の方式」

  6. 民法第897条「祭祀に関する権利の承継」

相続関連記事

PAGE TOP