民法第1016条「遺言執行者の復任権」

民法第1016条 遺言執行者の復任権

遺言執行者は、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

2項

前項本文の場合において、第三者に任務を行わせることについてやむを得ない事由があるときは、遺言執行者は、相続人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。

 

意訳

遺言執行者は自身の責任において第三者に遺言執行者の任務を行わせることができる。

ただし、遺言書に『第三者に行わせることを禁じる』などの意思表示がある場合にはそれに従う。

2項

遺言執行者がやむを得ず第三者にその任務を行わせる場合、遺言執行者は代わりの人の選任と監督についてのみ責任を負う。

 

条文解説

法改正により2019年に施行された条文です。

遺言執行者の復任権について、改正前のルールは『やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない』とされていましたが、今回の改正により“やむを得ない事情がなくても”第三者に遺言執行者としての任務を行わせることができるようになりました。

遺言執行者の判断のもとで第三者にその任務を行わせることができるようになった一方、遺言の執行において問題が発生した場合には、元の遺言執行者もその責任を負わなければなりません。

 

また、遺言書のなかで『遺言執行者の任務を第三者に行わせることを禁じる』や『この部分についてのみ第三者に行わせてもよい』といった、遺言執行者の復任について制限をかけるようなことが書かれていた場合はその内容に従うことになります。

 

2項

元の遺言執行者が急病などの理由により、『やむを得ず』その任務を第三者に行わせる場合の規定です。

このような場合には、元の遺言執行者は代わりとなる第三者の選任と監督についてのみ責任を負うことになり、1項の場合と比べて責任の範囲が限定されることになります。

 

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