今回のテーマは「家族信託で当事者が死亡した場合」です。
家族信託契約において、当事者が死亡した場合当事者の関係はどうなるのかをみていきたいと思います。
第96話でも紹介しましたが、家族信託契約には『委託者』と『受託者』と『受益者』の3人が登場します。
それぞれの登場人物が亡くなった場合に分けて法律ではどのようなルールとなっているのかをみていきましょう。
当事者死亡時のルール
委託者死亡の場合
委託者が死亡した場合は、委託者の地位は相続人に受け継がれます。
受託者死亡の場合
受託者が死亡した場合は早急に次の受託者を選ばなくてはなりません。
受託者は財産の管理・処分といった責任ある地位ですので、簡単に相続人にその地位を相続させるわけにはいきません。
ただし、受託者の相続人は次の受託者が決定するまでの間、信託財産の管理をしなければならないことになります。
また、適当な受託者が見つからない場合は裁判所に申立てを行い、選んでもらうこともできます。
受益者死亡の場合
受益者が死亡した場合は、受益者の地位は相続人に相続されます。
もし、信託契約のなかで最初の受益者が死亡後誰が次の受益者となるかを決めていない場合は相続人同士で遺産分割協議を行い、新たな受益者を決めます。また受益者は遺言によって次の受益者となる人を指定することもできます。
最優先されるべき事項
上記のルールは、あくまでも信託契約に「もし当事者が亡くなった場合、次は…」ということが決められていない場合に登場してきます。
最初に結んだ信託契約に「万が一の場合のこと」をしっかりと明記しておけば、その内容が最優先されることになります。
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