今回のテーマは「死因贈与」です。
読んで字のごとく、死亡したことを原因として遺産を特定の人に残すための方法です。
これまで解説してきた相続や遺贈とは別の遺産を受け取る方法となりますので、分かりやすく遺贈と比較しながら解説していきたいと思います。
発生について
遺贈
亡くなった方が遺言書に書いていることを条件に発生します。
亡くなった方の一方的な意思表示で発生しますので、受け取る方の意思は考慮されません。
死因贈与
亡くなった方と遺産を受ける方との間で結ばれる契約と思ってください。
亡くなった方が「私がなくなったら〇〇をあげます」という申し出に対して受ける方が「分かりました」と承諾をすることで成立します。
亡くなった方と贈与を受ける方の双方の合意があって発生します。
方法について
遺贈
必ず、遺言書に書かなければなりません。
包括遺贈の場合は遺贈する財産の割合を、特定遺贈の場合は財産を特定できる内容まできっちりと書く必要があります。
死因贈与
特に決まりはありません。
極端な話、口約束でもOKです。
しかし、口約束だけですと後々トラブルの原因となってしまいますので、書面などカタチを残しておくことをオススメします。
放棄について
遺贈
遺贈を受け取ることを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出をすれば放棄することができます。
死因贈与
放棄できません。
先述のとおり、死因贈与は契約の一種ですのでいったん双方の合意で成立していることが前提のお話ですので、一方的に放棄することはできません。
税金について
遺贈
相続税が課税されます。
死因贈与
相続税が課税されます。
“贈与”という言葉が入ってますので贈与税かなと思われるかもしれませんが、死因贈与の場合は相続税と同じ計算方法で納税額が計算されます。