今回のテーマは「エンディングノートと遺言書」です。
近年「エンディングノート」という言葉を耳にする機会が増えましたが、これは遺言書とは似て非なるものです。
今回はエンディングノートと遺言書について両者を比較しながら、その違いについて解説していきたいと思います。
概要
エンディングノート
人生の終末期に迎える死に備えて自身の希望や連絡事項を書き留めておくノート
遺言書
死後の法律関係を定めるために書いておくもの
効力の発生時期
エンディングノート
書いたときから発生します。
遺言書
書いた人が亡くなったときから発生します
誰宛てに書くか?
エンディングノート
家族や親族、身近な人など伝えたいことがある人に向けて書きます
遺言書
相続に関係のある人宛てに書きます
書く内容の制限
エンディングノート
特に制限はありません
必要なことを自由に書いてください
遺言書
効力をもつ内容には制限があります
法律的な拘束力
エンディングノート
拘束力はありません
書かれている内容に縛られる必要はありません
遺言書
拘束力があります
原則、書かれている内容に縛られます
このように比較すると、エンディングノートに書かれている内容には拘束力がありませんのでご自身の意思をしっかりと反映させた相続を望まれる方は遺言書を残さなければなりません。
エンディングノートの役割
一方でエンディングノートだからこそ書くことができることもあります。
エンディングノートを書くことで期待できることを紹介します。
1.これまでの人生を振り返ることができる
2.亡くなった後の希望や要望を伝えることができる
3.残りの人生の在り方を考えることができる
4.家族や親族への想いを伝えることができる
5.資産の状況を把握することができる
エンディングノートには人間が本来もっている感情を細かく表現できることが最も大きな特徴です。
いきなり遺言書を書くことに抵抗がある方はエンディングノートを書くところから始めてみてもいいかもしれません。