第86話『住宅資金贈与の非課税措置』 ~利用要件と限度額~

 

今回のテーマは「住宅資金贈与の非課税措置」です。

 

 

制度概要

直系尊属(父母や祖父母など)から住宅を購入もしくは住宅を増改築するために贈与を受けた金銭について、限度額の範囲内で贈与税が課税されない制度です。

 

つまり、この制度を利用できるのは父母や祖父母などから贈与を受けた子または孫などに限られます。

 

また、土地や建物そのものの贈与についても、この制度を利用できませんので注してください。

 

 

制度利用の要件

受贈者について

共通要件

・贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること

・贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること

 

個別要件(いずれか1つ満たしていればOK)

・贈与を受けた時に日本国内に住所があること

・贈与を受けた時に住所は日本国内にないが国籍が日本である場合、贈与者または受贈者の住所が贈与から5年以内に日本国内にあったこと

・贈与を受けた時に住所も国籍も日本ではない場合は、贈与者の住所が日本国内であること

 

取得する住宅について

・新築または築20年以内であること かつ

・床面積が50~240㎡であること

 

増改築の場合について

・工事費用が100万円以上であること かつ

・増改築後の床面積が50~240㎡であるこ

 

 

非課税限度額

非課税限度額は住宅の購入もしくは増改築の契約を結んだ日と住宅の種類によって異なります。

 

住宅の種類とは「省エネ」や「耐震性」にいて一定基準を満たしている住宅とそれ以外の住宅に分けられます。

 

以下、前者を「良質な住宅用家屋」後者を「一般的な住宅用家屋」と呼ぶことにします。

 

非課税限度額の具体的な金額は下記のようになります。

 

 

 

税務署への申告について

この制度を利用した場合、たとえ贈与額が限度額の範囲内であっても税務署に申告をしなければなりません。

 

申告を忘れてしまうと、通常の贈与と同じ贈与税が課税されてしまいますので注意してください。

 

申告期限は贈与を受けた翌年の2月1日から月15日までの間です。

 

 

★相続税シミュレーションのご相談はこちら

関連記事

  1. 第54話『不動産の評価方法①』 ~土地の評価額を決める4つの…

  2. 第94話『不動産登記の登録免許税』 ~登記申請の際に納める税…

  3. 第98話『家族信託の際に決めておくこと』 ~契約内容に入れる…

  4. 第68話『小規模宅地の特例』 ~100坪以下の宅地は大幅減額…

  5. 第74話『相続税の2割加算』 ~亡くなった方との間柄で税金が…

  6. 第53話『動産の評価方法』 ~現金・預金・株式の評価~

公式LINEアカウントで相談受付中

友だち追加

相続関連記事

PAGE TOP