今回のテーマは「家族信託の際に決めておくこと」です。
第97話でも解説をしましたが、家族信託は「契約」の一つです。
皆さんも契約を結ぶときは、その内容についてしっかりと確認をされると思いますが、家族信託についても契約内容をしっかりと決めておかなければなりません
それでは具体的に、どのようなことを決めておかなければならないのかを整理しながらみていきましょう。
家族信託の際に決めておくこと
1.信託する財産
委託者は自身が所有している財産のうち実際に『何を信託財産とするのか』を決めておかなければなりません。
預貯金、現金、有価証券、不動産、家賃収入など、さまざまな財産のうち自身が引き続き管理するものと信託をお願いするものとを分けておきましょう。
2.受託者の選定
次に信託をお願いする「受託者」を誰にするのかを決めます。
委託者は自身が信託をお願いした理由や心情をしっかりと理解して、信託契約の内容のとおりに実行できる人を選ぶ必要があります。
ただし、受託者が財産の管理を怠ったりした場合には、同じ親族のなかから不満を抱く人がでてくる可能性があり、後になってトラブルを招く恐れもあります。
受託者は『本当に信頼がおける人』のなかから選定するのが望ましいでしょう。
3.信託の目的
信託契約においては、管理・処分の結果、利益を受ける「受益者」が存在しなくてはなりません。
そのためには『受益者が誰』で、その人が『どのような利益を得ることを望むか』という信託の目的を明確にしておくことが重要になります
4.信託監督人の選定
受託者が誰になるかによっては、他の親族から財産の管理の状況が見えにくケースがあります
その時に「受託者」がきっちりと信託契約のとおりに財産を管理しているかどうかを監督する「信託監督人」を置くことができます。
これは必須ではありませんが、信託の目的をスムーズに実現するためには、場合によっては「信託監督人」を選定した方がいいケースもあります。
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