民法第974条「証人及び立会人の欠格事由」
次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
意訳
次の人は遺言書の証人または立会人になることができない。
一 未成年者
二 遺言者が亡くなった際に相続人になる可能性がある人、受遺者、ならびにその配偶者と直系血族
三 公証人の配偶者、公証人の四親等内の親族、公証人の書記および使用人
条文解説
公正証書遺言や秘密証書遺言など、遺言書作成の際に証人または立会人が必要となる方式があります。
その証人または立会人になることができない人がこの条文で規定されています。
まずは未成年者です。
未成年者は判断能力が十分ではないとの理由で証人、立会人になることができません。
なお、未成年でも婚姻をしている場合は成年とみなされます(下記「関連条文」参照)ので、ここでいう未成年者からは除外されると考えられます。
次に推定相続人、受遺者、これらの配偶者、直系血族です。
これらの人は遺言書の相続が発生した際に利害関係人となるため、証人、立会人になることができません。
具体的には、遺言者が亡くなった際に相続人になる可能性がある人、遺言によって遺贈を受ける人、これらの配偶者と直系血族人(両親、祖父母、子、孫など)です。
最後に公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人です。
ここでいう公証人とは、その遺言書の作成に関わる公証人のことを指します。
したがって、公証人であっても、自身が関与しない遺言書の作成に関してはこれらの制限は受けません。
なお、これらの欠格者が証人や立会人になって作成された遺言は無効になってしまいますので注意が必要です。
関連条文
民法第4条 成年
年齢十八歳をもって、成年とする。
民法第753条 婚姻による成年擬制
未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。