今回から3話にわたって法定後見制度の種類について少し掘り下げて解説をしていきたいと思います。
前回(第25話)の復習になりますが、法定後見には
1、後見
2、補佐
3、補助 の3種類がありましたね。
なぜ、3つも必要なのでしょうか。
これは、本人の判断能力の低下の度合いによって分類する必要があるためです。
本人ができることは本人に任せて、できないことは周りがサポートしてあげましょうというのが後見制度の基本的な考え方です。
つまり、判断能力の低下の度合いによって、周りがサポートする内容も異なってくるはずです。
そのため後見制度には上記の3種類の制度が用意されています。
後見とは
後見とは、判断能力が常に不十分な状態の方を保護する制度です。
3種類ある法定後見制度のなかで最も判断能力が低下しているケースで利用されます。
後見制度を利用する本人を「被後見人」、本人を代理、保護する人を「後見人」、後見人をチェックする人を「後見監督人」と呼びます。
後見の申し立て
被後見人の住所地を管轄する家庭裁判所に後見制度利用の申立てを行います。
後見の場合、本人以外の方が申立てを行うときには、制度の利用について被後見人の同意をとる必要ありません。
後見人の権限
後見人は本人の財産や権利を保護するため、被後見人の行為について、「代理」「同意」「取消」をすることができます。
「代理」については、契約などの財産に関する全ての行為について行うことができます。
「同意」と「取消」についても、原則として全ての行為について行うことができます。
ただし、被後見人自身の意思表示を可能なかぎり尊重するため、例外として「日常生活に関する行為」(食料や服を買うなど)については取消をすることができません。