今回のテーマは「効果のない事項」です。
文字通り、法律的な効果はないけれど、スムーズな遺産分割を行うために「書いてあったらいい」ことを紹介します。
1.付言事項
これは遺言者が相続人や親族に向けた最後のメッセージです。
具体的には、これまでの感謝の気持ちを書いたり、遺産分割の根拠となる理由を記したりして相続人同士の争いを防ぐことを目的とします。
実際に、この付言事項を読んで、争いを未然に防ぐことができたケースも多く存在しています。
単に「誰に何を相続させるか」を書くだけでなく、付言事項を追加で書かれることをおススメします。
2.補充遺言
これは指定していた相続人が、遺言者よりも先に亡くなった場合に備えるもので予備的遺言ともいわれています。
たとえば、配偶者を不動産の相続人としていたときに、配偶者が自分より先に亡くなった場合は他の人(子供など)にその不動産を相続させる旨を記します。
これも相続人が指定されていない財産をめぐる争いを未然に防ぐ役割を果たします。
遺産をめぐる親族間の争い、いわゆる“争族”は、けっして他人事ではありません。
自分の親族に限って、そんなことはないだろうと思っていらっしゃる方でも、万が一に備えて付言事項や補充遺言を準備されていた方がいいかもしれません。