今回のテーマは「補助」です。
「補助」は法定後見制度の3つの制度のなかで判断能力の低下が最も軽度な方が利用することができる制度です。
補助とは
補助とは、判断能力が不十分な状態の方を保護する制度です。
補助を利用する本人のことを「被補助人」、本人を代理、保護する人を「補助人」、補助人をチェックする人を「補助監督人」と呼びます。
補助の申し立て
被補助人の住所地を管轄する家庭裁判所に制度利用の申立てを行います。
補助の場合、本人以外の方が申立てを行うときは、制度の利用について本人の同意が必要となります。
補助人の権限
代理については、本人の同意があるうえで、申立ての範囲内で裁判所が定めた行為に関してすることができます。
同意や取消については、下記の行為の一部に限り、申立ての範囲内で裁判所が定めた行為に関してすることができます。
・利息や賃料を生む財産を受領すること
・利息や賃料を生む財産を利用すること
⇒ 利用:貸し出すことなど
・借金をすること
・借金の保証人になること
・不動産や重要な財産を買ったり売ったりすること
⇒ 売買契約など
・訴訟に関すること
・贈与、和解、仲裁合意をすること
⇒ 単に贈与を受けるだけならOK
・相続の承認若しくは放棄、遺産分割をすること
・贈与の申込みを拒絶すること
・遺贈を放棄すること
・負担付贈与、負担付遺贈を受けること
・新築、改築、増築、大修繕を行うこと
・長期間の賃貸借をすること
今回まで3回にわたって法定後見制度の種類についてそれぞれ解説しました。
次回(第29話)、後見、保佐、補助の3つの制度の違いを比較し、それぞれの制度の理解を深めていただきたいと思います。