今回のテーマは「秘密証書遺言」です。
実際、あまり使われていない遺言書ですが、参考にしていただければ幸いです。
秘密証書遺言とは
遺言書の内容を秘密にしたまま、その存在だけを公証役場で証明してもらう遺言書の方式です。
遺言書が本物か偽物かといった争いを防ぐことができます。
秘密遺言証書の長所
・遺言の内容を秘密にすることができる
・遺言書を偽造される恐れがない
秘密遺言証書の短所
・公証役場に行く時間が必要
・公証役場に支払う費用が必要
・裁判所の検認手続きが必要
・要件を満たしていないと、遺言が無効となる場合がある
秘密遺言証書の作成の流れ
1.作成した遺言書を封筒に入れて封印する
2.遺言書と証人2人以上を連れて公証役場に行く
3.公証人に遺言書を提出する
4.遺言者の氏名、住所を言う
5.公証人が、その遺言書が遺言者のものである旨と日付を書く
6.遺言者と証人が署名、押印をして完成
7.遺言書は遺言者が保管する
秘密遺言証書作成時の注意
秘密遺言証書はパソコンで書くことも可能ですし、一部または全部を他の人に書いてもらうことも可能です。
しかし、遺言書が秘密遺言証書として無効となっても自筆遺言証書として有効となる可能性がまだありますので、自筆遺言証書の要件である全文を自書することをオススメします。
このようにみると、秘密遺言証書は遺言書としての確実性と安全性が担保されていなかったり長所より短所の方が多かったりするため、同じくらい手間と費用をかけるなら『公正証書遺言』を作成しようという方が圧倒的に多くなっています。
どうしても他人に遺言の内容を知られたくないという方は利用されてもいいかもしれません。