民法第1017条「遺言執行者が数人ある場合の任務の執行」

民法第1017条 遺言執行者が数人ある場合の任務の執行

遺言執行者が数人ある場合には、その任務の執行は、過半数で決する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

 

2項

各遺言執行者は、前項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。

 

意訳

遺言執行者が複数人いる場合、遺言の執行に関しては遺言執行者の過半数で決める。

ただし、遺言書にこれとは異なることが書かれている場合には、それに従う。

 

2項

遺言執行者はそれぞれの判断で遺産の保存行為を行うことができる。

 

条文解説

遺言執行者は複数人指定することができます。(民法第1006条)

たとえば、遺言書に

『不動産を長男に相続させる。これの遺言執行者はAさんとする。
預貯金を次男に相続させる。これの遺言執行者はBさんとする』

と書かれていたように、それぞれの遺言執行者の役割が遺言書の中で明記されていれば、遺言執行者たちは自分の担当任務に集中すればよいのですが、一方で

『不動産を長男に、預貯金を次男に相続させる。
この遺言の執行者としてAさんとBさんを指定する』

というようにそれぞれの遺言執行者の任務が定められていない場合もあります。

 

この条文は後者のように遺言執行者のそれぞれの任務を定めていない場合を想定しており、このような場合に遺言を執行するには原則として遺言執行者の過半数の賛成が必要と定められています。

 

ただし、遺言執行者のそれぞれの任務を定めていない場合であっても遺言書に

『遺言執行者AさんとBさんは、それぞれ単独で執行することができる』

というように、過半数の原則とは異なる内容が書かれていた場合はそれに従うことになります。

 

2項

たとえば「家屋の修繕」のように、遺産の価値を現状のまま維持するための保存行為については、遺言執行者がそれぞれの判断で行うことができます。(1項とはちがい、過半数をとる必要はありません)

 

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