民法第1026条 遺言の撤回権の放棄の禁止
遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができない。
意訳
遺言を書いた人は、一度書いた遺言を撤回する権利を放棄することができない
条文解説
一度書いた遺言を撤回する権利を放棄することを禁止したルールです。
そもそも遺言とは、それを書いた人の生前の最終的な意思表示を現したものであり、亡くなってはじめて効力をもつ以上、遺言の撤回や書き換えをする権利は保証されるべきです。
したがって、一度書いた遺言を撤回する権利は守られるべきもので、これを放棄することは認められていません。
たとえば、遺言を書いた人(遺言者)と遺贈を受ける人(受遺者)の間で、『この遺言は撤回できないものとする』という旨の契約が結ばれたとしてもその契約は無効となり、遺言者は自由に遺言を撤回できると解されます。