民法第1043条「遺留分を算定するための財産の価額」

民法第1043条 遺留分を算定するための財産の価額

遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額とする。

2項

条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。

 

意訳

遺留分を計算する元となる遺産の評価額は、亡くなった方が「相続開始時にもっていた財産」に「贈与した財産の額」を足し、そこから「債務」を差し引いた額とする。

2項

条件付きの権利または存続期間の不確定な権利は家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を決める。

 

条文解説

遺留分の割合については1つ前の第1042条で計算方法が規定されていました。

この条文は遺留分の具体的な金額を計算するうえでの『元となる遺産の総額の評価方法』についての規定となります。

 

規定では、亡くなった方が「相続開始時にもっていた財産」に「贈与した財産の額」を足し、そこから「債務」を差し引いた額が遺留分の計算の元となる遺産の評価額を算出する計算式になります。

これら以外のものを勝手に足したり引いたりしてはいけません。

 

なお、不動産や株式のように相場が変動する財産もありますが、評価の基準時点は「相続開始時」と解釈されています。

 

2項

亡くなった方がもっていた条件付きの権利または存続期間の不確定な権利については「相続開始時にもっていた財産」として扱い、計算に含めなければなりません。

この場合の権利の評価は家庭裁判所が選任した鑑定人の評価額に従うことになります。

 

関連条文

民法第1042条 遺留分の帰属及びその割合

兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。

一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一

第2項

相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。

 

【相続オールサポート大阪】トップページ

 

関連記事

  1. 民法第942条「財産分離の効力」

  2. 民法第902条「遺言による相続分の指定」

  3. 民法第931条「受遺者に対する弁済」

  4. 民法第958条「権利を主張する者がない場合」

  5. 民法第970条「秘密証書遺言」

  6. 民法第967条「普通の方式による遺言の種類」

公式LINEアカウントで相談受付中

友だち追加

相続関連記事

PAGE TOP