第70話『相続税の基礎控除』 ~基礎控除額の計算方法~

 

今回のテーマは「相続税の基礎控除」です。

基礎控除は相続税を計算するうえで一番初めに必ず通る重要な手順です。

 

基礎控除とは

相続財産のうち「プラスの財産」と「マイナスの財産」を差し引きした金額から、さらに控(引き算)することができる制度です。

 

基礎控除額は次の計算式で算出できます。

3,000万円+(600万円×法定相続人数)

 

この3.000万円の部分は固定の数字で、全ての人に適用されます。

たとえば、法定相続人が3人いる場合の基礎控除額は

3.000万円 + (600万円 × 3人)= 4,800万円

ということになります。

 

相続税を計算するときは、遺産額から基礎控除額を引き算した残りの金額が課税の対象額とります。

したがって、課税対象の遺産額が0円以下の場合(遺産額が基礎控除額より小さい場合)には相続税を支払う必要はありません。

 

基礎控除の注意点

基礎控除額が減額されました

基礎控除額の計算式は平成27年1月1日より上記の計算式に変更となっています。

それまでの計算式は5,000万×(1,000万×法定相続人数)でした。

つまり、平成27年以降に亡くなられた方から基礎控除額が減額されたことになり、実質、相続税は増税となりました。

 

もし以前に相続税額のシミュレーションされたことがある方は、基礎控除額が減額された影響で、納税額が増えてしまっている場合があります。

もう一度、現在の計算式に基づいた納税額シミュレーションをされることをオススたします。

 

相続人が相続放棄をした場合

相続人が相続を放棄した場合、基礎控除計算式のなかにある「法定相続人数」はどうなるのかがポイントです。

結論を言いますと、放棄した人も法定続人の人数に含めます。

 

これも「民法」と「税法」をゴッチャにしてはいけないケースの一つです。

相続の放棄は、あくまでも「民法」のなかでの話であって、「税法」にまで影響を及ぼすことはありません。

 

相続税の申告に関するご相談はこちら

相続税のシミュレーションのご相談はこちら

 

トップページ

 

 

関連記事

  1. 第85話『配偶者への居住用不動産の贈与』 ~制度利用のメリッ…

  2. 第69話『生命保険金の扱い』 ~遺産分割の対象となるか~

  3. 第94話『不動産登記の登録免許税』 ~登記申請の際に納める税…

  4. 第61話『二方路線影響』 ~2本の道路に挟まれた土地の補正~…

  5. 第72話『相続税の税率と控除額』 ~税額計算のしくみ~

  6. 第68話『小規模宅地の特例』 ~100坪以下の宅地は大幅減額…

公式LINEアカウントで相談受付中

友だち追加

相続関連記事

PAGE TOP