民法第1048条「遺留分侵害額請求権の期間の制限」

民法第1048条 遺留分侵害額請求権の期間の制限

遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

 

意訳

遺留分侵害請求権は遺留分権利者が相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内に行使しなければ時効によって消滅する。

相続開始の時から10年を経過したときも時効によって消滅する。

 

条文解説

遺留分侵害請求権を行使できる期間について規定された条文です。

前段では遺留分権利者が相続の開始を知った時および、遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年と規定されています。

ポイントはこれらの事実を「遺留分権利者が知った時」からカウントダウンが始まることです。

たとえば、疎遠になっていた被相続人が亡くなってしばらく経ってから親族から死亡の連絡がきた場合にはその時点からカウントダウンが開始されます。

また、贈与や遺贈が行われていたことは知っていたが、それらが自身の遺留分を侵害することまでは知らなかった場合には、遺留分を侵害されていることを知った時からカウントダウンがスタートします。

 

後段では相続の開始を起算点として10年間、遺留分侵害請求権を行使しない場合にはその権利が消滅することが規定されています。

この10年間は『除斥期間』と解釈されており、この期間内に権利を行使しない場合には自動的に請求権が消滅することになります。

 

遺留分侵害請求権は早ければ1年で権利が消滅してしまう可能性がありますので、お気付きになられた際は早めにご相談ください。

 

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