今回のテーマは「複数の遺言書がみつかった場合」です。
遺言書は生前に何度も書き直すことが可能ですので、新しい遺言書を書いたときに古い遺言書を処分していなかったというケースが考えられます。
また、いったん自筆遺言証書を書いたものの、それを処分せず、のちに公正証書遺言を残したケースもあります。
このように遺言書が複数ある場合、どの遺言書が優先されるのでしょうか。
1.遺言書の日付が異なる場合
まずは、遺言の作成日を確認してください。
原則として遺言書は日付が新しいものが優先されることになります。
ただし、古い遺言書と新しい遺言書の内容を比較して、古い方の内容が新しい方の内容に矛盾していない箇所は、古い方の内容が有効となります。
2.遺言書の日付が同じ場合
両方の遺言書の内容を確認して、作成の先後を判断します。
この場合には原則に従い、後に書かれた遺言書が優先することになります。
3.自筆遺言と公正証書遺言がある場合
この場合も日付が新しい方が優先されます。
自筆遺言証書も公正証書遺言も遺言書としての効力は同じであるためです。
ですので、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回した場合、自筆証書遺言の内容が優先されることになります。