今回のテーマは「遺言書の種類」です。
まずは下の表をご覧ください。
遺言書には2つの方式と7つの種類があります
ここでは遺言の種類(名称)と概要を解説し、それぞれの特徴などについては次回以降に詳しく解説したいと思います。
遺言書の方式
遺言書には「普通方式」と「特別方式」の2種類の方式があります。
一般的には「普通方式」で書かれることがほとんどです。
普通方式遺言の種類
以下の3種類があります。
1.自筆証書遺言
遺言者が全文、日付、氏名を自身で書いたうえで押印した遺言書。
最も簡単に作成できるため、後に疑問や偽造が生じるのを予防するため、その書き方には厳しいルールが決められています。
2.公正証書遺言
公証人と証人の立会いのもと作成される遺言書です。
作成された遺言書は公証人役場で保管されるため、偽造されたり紛失したりする心配がありません。
また、内容も非常に明確です。
3.秘密証書遺言
自身で作成した遺言書を、その内容を秘密にしたうえで、「存在」だけを公証人と証人に証明してもらう遺言書です。
遺言書が本物であることは確実である一方、保管は遺言者がするため、紛失や偽造の恐れがあります。
ほとんど利用されていないのが実情です。
特別方式遺言の種類
何らかの事情によって普通方式で遺言書を残せない場合の例外的な方式です。
特別方式遺言には以下の4種類があります。
1.一般危急時遺言
遺言者が病気などの理由で死亡の危険が急迫である場合に証人3人以上の立会いのもと行うことができる遺言書。
2.一般隔絶地遺言
伝染病や災害によって交通を断たれた場所にいる人や刑務所の服役囚が書くことができる遺言書です。
警察官1人と証人1人以上の立会いのもと、自身で作成しなければなりません。
3.船舶隔絶地遺言
船舶に乗っていて陸地から離れた人が書くことができる遺言書です。
船長または事務員と証人2人以上の立会いのもと自身で作成します。
4.難船危急時遺言
船舶や飛行機に乗っていて死亡の危険が急迫である場合に書くことができる遺言書。
証人2人以上の立会いのもと、口頭で遺言を行い、証人がそれを筆記します。