今回のテーマは「がけ地補正」です。
がけ地補正とは
敷地内に崖になっている所があり、通常利用することができないような場所がある場合に適用されます。
当然ですが、このような土地の評価は大きく下がることになります。
がけ地補正の考え方
がけ地補正は次の2つの要素によって補正率を決定します。
1.土地全体に対するがけ地の割合
2.がけ地の方角
1.土地全体に対するがけ地の割合
これは土地全体に対して崖になっている部分の面積の割合のことを指します。
当然、がけ地の割合が多いほど利用価値は低くなり、土地全体の評価は下がります。
2.がけ地の方角
崖がどの方角に向かって下がっているかを指します。
これは主に日照の確保という面で土地の利用価値を評価しようという考えに基づいています。
がけ地補正率を調べる
がけ地補正率は国税庁のホームページで調べることができます。
上記リンク先の「付表8 がけ地補正率表」をご覧ください。
この表の0.53~0.96ががけ地補正率になります。
参考:その他の土地の評価補正
側方路線影響(角地の評価補正)
二方路線影響(道路に挟まれた土地の評価補正)
三方路線影響(コの字型に道路に囲まれた土地の評価補正)
間口狭小補正(間口が狭い土地の評価補正)
奥行長大補正(縦に長い土地の評価補正)
不整形地補正(いびつな形の土地の評価補正)
評価方法
今回も例題を使いながら、次の土地の評価を計算してみましょう。
・普通住宅地区
・土地全体の形状:東西30m、南北20m
・土地の西側が崖になっている
・崖の面積:120㎡
・土地の北側の路線価:100千円
まずは路線価×奥行価格補正率×がけ地補正率で土地全体の㎡単価を求めましょう。
奥行価格補正率
この土地の奥行は20mですので、下記の表から1.00、つまり補正による減額は「なし」となります。
がけ地補正率
今回のケースの場合、崖の面積の割合は土地全体の面積の20%(0.20)です。(30×20=600㎡のうち120㎡)
また、崖は西側にありますので、求める補正率は0.90になります。
100千円×1.00×0.90=90千円
これがこの土地の㎡単価となります。
最後に土地全体の評価額を求めましょう。
90千円×30m×20m = 54,000,000円
がけ地補正を行わない場合と比較して、600万円も評価額を減額することができました。
まとめ
がけ地が存在する土地は、海岸線沿いや山を切り開いて造成したような土地で多くみることができます。
場合によっては、大きく評価が変わってくることになりますので、このような土地をお持ちの方は注意してください。