民法第1005条「過料」

民法第1005条 過料

前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。

 

意訳

民法第1004条(遺言書の検認)に規定された次のルールを破った場合、5万円以下の過料を払わなければならない。

・保管または発見した遺言書を家庭裁判所に提出しなかった場合
・家庭裁判所での検認手続きを経ないで遺言書を執行した場合
・家庭裁判所以外の場所で遺言書を開封した場合

 

条文解説

一部の例外を除き、保管または発見された遺言書はまず家庭裁判所に提出され、「検認」手続きを経たうえで執行されるというプロセスを踏みます。(民法第1004条参照)

これらのプロセスは遺言書の偽造を防ぎ、亡くなった遺言者の遺志を尊重し実現するために義務化されたもので、このプロセスを1つでも飛ばすということは「遺言制度」の安全性を脅かすことになります。

そのため、定められた義務を怠った場合には罰則(過料)が設けられています。

 

関連条文

民法第1004条 遺言書の検認

遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。

第2項

前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。

第3項

封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。

 

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