今回のテーマは「側方路線影響」です。
側方路線影響とは
土地の正面と側面の2面が道路に接している土地で適用されます。
いわゆる「角地」のことです。
また、四つ角の交差点や丁字路に面しているのではなく、L字の道路の内側にある土地を「準角地」といいます。
側方路線影響は、2本の道路に面している土地は利便性がよいため、評価も高くなるという考え方です。
ちなみに、土地が面している2本の道路のうち「路線価 × 奥行補正率」の計算結果が高い方を正面路線といい、もう一方を側方路線といいます。
側方路線影響の加算率
国税庁のホームページで調べることができます。
上記リンクをクリックしていただき、開いたページの「付票2 側方路線影響加算率表」をご覧ください。
この表に書かれている0.01~0.10が加算率になります。
「角地」と「準角地」の加算率を比べてみると「角地」の方が高くなっています。
四つ角の交差点やT字路に面している土地の方がL字の道路に面している土地よりも利便性が高いことを読み取ることができますね。
参考:その他の土地の評価補正
二方路線影響(道路に挟まれた土地の評価補正)
三方路線影響(コの字に道路に囲まれた土地の評価補正)
間口狭小補正(間口が狭い土地の評価補正)
奥行長大補正(奥行が長い土地の評価補正)
がけ地補正(崖がある土地の評価補正)
不整形地補正(いびつな形の土地の評価補正)
角地の評価方法
実際に例題を使いながら、次の「角地」の評価を計算してみましょう。
・「普通住宅地区」にある「角地」
・一方が路線価150千円の道路に面しており奥行は30m
・もう一方が路線価100千円の道路に面して奥行は20m
1.まず「正面路線」を決める
正面路線は「路線価 × 奥行補正率」の高い方になります。
今回のケースで2つの路線を比較すると
150千円 × 0.96 = 144千円
100千円 × 1.00 = 100千円
となり、150千円の道路に面している方が「正面路線」、100千円の道路に面している方が「側方路線」となります。
2.「側方路線」の加算額を計算する
側方路線の加算額は路線価 × 奥行価格補正率 × 加算率で算出することができます。
上記の例に当てはめてみると100千円×1.00×0.03=3千円となり、これが土地の評価を高くする加算額となります。
3.土地の㎡単価を算出する
1で計算した「正面路線」の㎡単価に2で計算した「加算額」をプラスします。
144千円 + 3千円 = 147千円
これがこの土地の㎡単価となります。
4.土地全体の評価額を算出する
最後に3で出した㎡単価に土地の面積を掛け合わせて全体の評価額を出します。
147千円 × 30m × 20m = 88,200,000円
これがこの土地全体の評価額です。
ちょっと計算は多いですが、計算式自体はややこしくないので諦めずに最後までやってみてください。